溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
覚悟はどう決める?
「それで?」
パソコンから視線を声のしたドアの方へ向けると、怪訝そうな表情の兄が立っていた。
「ハル兄。当直お疲れ様。お母さんたちなら出かけてるよ」
「そうか…って、いや、それより、どうして絵麻がここにいるんだよ」
兄は私の部屋に入って、そばに寄って来た。
「出戻ってきたわけじゃないよ」
「じゃあなんで実家にいるんだよ?仕事しているのか?でも仕事はなにもここじゃなくたって出来るだろ?」
言われて両親が今日、私が戻って来ることを兄に伝えていないことに気づき、兄の言葉が腑に落ちた。
「湊さんは」
私が口を開いても心配顔の兄は私に詰め寄ってくる。
「吉池になにか嫌なことされたのか?それとも性格とか価値観が合わなかったか?二か月持たないようななにかがあったのか?」
「それは……」