溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「気、使い過ぎじゃないか?それとも絵麻は吉池のこと好きじゃないのか?」
「どうして?」
間髪入れずに聞くと、兄は私の顔をマジマジと見ながら言った。
「絵麻からは恋い焦がれるような感じが全く伝わってこない。会いたい、そばにいたいって思っていないだろ?」
そんなことはない。
実家に戻って来ても考えることは湊さんのことばかりで、湊さんの家から実家に戻って来て違和感すらある。
心も体も生活スタイルもたったの三週間で湊さんの方に向いたのだ。
それなのにも関わらず兄の言うような恋い焦がれる様子が見られないのは、どんなことが起きても永遠に湊さんを愛し抜くという覚悟が出来ていないから気持ちを押し殺しているだけであって、好きだと想う気持ちは離れて会えない分、確実に増している。
「どうしたら結婚する覚悟って出来るのかな?ハル兄はどうして結婚したいと思ったの?決め手はなに?」
「好きだから。ずっと一緒にいたいと思ったから」