溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情


「ふぅ」


緊張したけど、なんとか初日はクリアできた。

ただ、どうにも吉池さんの言動で動揺させられてしまうなんて、二か月間、私の心臓は持つのだろうか。

亜未は吉池さんのことをポーカーフェイスだと言っていたけど全然違う。

普通に気持ちが顔に出るし、笑顔だって見せてくれる。

学生の頃とは違うということなのか、それとも私との同棲生活の開始を喜んでくれているからなのか。

後者だったら嬉しいな、と思いながらこれからのことを考える。

まずは荷解きだ。

それから家電製品の使い方、家事、洗濯など、必要最低限のやらなければならないことがたくさんある。

家主不在の隙に色々見て触るのは気が引けるけど、むしろ吉池さんがいないのを良いことに遠慮なく手を出させてもらうことにした。


「よーし」  


腕捲りをして作業に取り掛かる。

荷解き、片付け、掃除に没頭すること3時間。

最新家電のオンパレードに機械音痴の私が四苦八苦すること2時間。

落ち着いたのはお風呂から上がった夜の9時過ぎだった。
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