溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
結局、吉池さんは私が眠る前までに帰っては来なかった。
[23時前になると思う]
洗濯機が止まった頃、メールが届き、ベッドに入ってからも気配を気にしていたけど、睡魔には勝てず。
朝の6時半にベッドから降り、静かにドアを開け、リビングへと向かう。
カチャ
リビングへと続くドアを極力静かに開けると、和室の襖が閉まっていた。
ちゃんと帰宅していたようでホッとする。
机の上に置いておいたものもなくなっているし、物音がしないところを見ると、今はぐっすり寝ているのだろう。
そのまま、吉池さんを起こさないよう、リビングのドアを静かに閉め、一旦、寝室へと戻ることにした。
「ふぅ」
物音を立てないように呼吸まで浅くしていた。
息を吐き出し、フェイスタオル片手に洗面を済ませ、メイクと着替えを終えてから、リビングへと続くドアを開けた。
その瞬間。
グレーの上下スウェットを着た吉池さんの姿が目に飛び込んできた。
「おはよう」
「あ、おはよう、ございます」