溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「それにしても賑やかだなー」
参列者と思われる、煌びやかな服に身を包んだ人たちの明るい声がホールいっぱいに広がっている。
おめでたい席だからこその賑やかな声に特別不快感は抱かない。
ただ、果たしてこの中でゆっくり話が出来るものだろうかという心配がある。
挙式の始まりは何時なのだろう。
それと約束の人も、そろそろ現れても良い頃なのに。
腕時計に視線を下げ、それからラウンジの入り口に目を向けてみた。
でもそれらしい人はいない。
仕方なくミルクティーにもう一度口をつけ、ほぅと息を吐き出した時、"支配人"と胸元の金色のプレートに書かれた、白髪混じりの男性がやって来た。