溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「お口に合いましたか?」
「あぁ。優しい味だったよ。ありがとう」
極上の笑顔にドキッとする。
「破壊力あり過ぎ」
顔を逸らし、胸を押さえて呟くと、今度は私の様子を伺うように顔を覗き込んできた。
「昨日もそうしていたよな?どこか悪いのか?」
「え?あ、いえ、大丈夫です。クセみたいなもので」
無理があっただろうか。
でも吉池さんにドキドキしてる、なんて言えなくて「それより」と前置き、話題を朝食に変える。
「お腹空きましたよね?これから支度するんですけど、吉池さんも召し上がりますか?」
「手料理、楽しみにしていたんだ。手伝うよ」
「ありがとうございます。でも先に身支度を」
吉池さんのスウェットに視線を遣ると「それもそうだ」と言ってリビングから出て行った。
「はぁぁー、ドキドキした」
同棲2日目なのだから当然、顔を突き合わせればドキドキするのだけど、緊張もあって疲労感が半端ない。
「朝ごはん食べて英気を養おう」