溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「少し先なんだが三週間後の金曜、もし予定が空いていれば付き合って欲しいところがあるんだ」
「えっと、三週間後の金曜は」
卓上のカレンダーを見ながら仕事のスケジュールを確認し、大丈夫だと頷くと、吉池さんも頷いた。
「ビジネスパーティーがある。それに同行して欲しい」
「それは私が行っても問題ないパーティーなんですか?」
日本人は気兼ねのないパーティーであったとしても仕事の場にパートナーや他人を連れて行くことはあまりしない。
だから確認したのだけどゲストはアメリカ出身の方たちだと言う。
「アメリカの文化はパートナーを大切にしているとイメージがプラスになる。たしか『御社の役に立つ』んだよな?」
「え?あぁ!フフ。はい。でも」
ひと月分の中にドレスなんて持って来ていないし、そもそもパーティー用のドレスなんて持っていない。
聞けばテナントの屋上の日本庭園で行われるようで。
「ドレスコードはありますか?」
「あぁ。それなんだが、今日、少し付き合ってくれないか?」
それはドレスコードがある、という意味なのだろうか。
それとも吉池さんの服を買うのを手伝って欲しいのか。
どちらなのか聞こうと口を開くも、吉池さんが先に口にした。
「18時にショッピングモール前で」