飼い犬は猛犬でした。
「ちょっと、涼香!」
HR開始のチャイムが鳴る3分前、息を切らしながらイオが駆け寄ってきた。
「どうして何も言わずに置いてったのよ!」
「ごめんごめん。……って、イオも何も言わずにどこかへ行ったじゃない……」
「だって、仕方ないじゃない! あの龍ケ崎 涼輔クンに会えたんだもん!」
あれじゃあ、”会えた”ってより”足止めされてた”の方があってると思うけど。
てか……名前、龍ケ崎 涼輔って言うんだ……いかにもイケメンだけに許される名前って感じだ。