飼い犬は猛犬でした。
「ずっと前から好きで、でも俺なんかがって話しかける勇気無くて、目で追うだけで……それがいきなり話せるチャンス来て……嬉しくてガンガン距離詰め過ぎちゃいましたよね、先輩の気持ちも考えずに」
「そんなこと……」
「先輩の事が好きだから、ずっとずっと好きで手に入らないと思ってたから、無理矢理にでも手に入れて俺だけの物にしたくて……本当にすみませんでした」
そんな、わたしなんて……涼輔くんがそんな風に思うような人間じゃない。
地味で冴えなくてなんの取り柄も無い、ただの一般人なのに。
わたしからしてみれば、学校中の女の子から歓声を上げられるほど人気な涼輔くんの方が、絶対に手に入らない存在だよ……
「どうして、わたしなんかの事……」
「それは……」