飼い犬は猛犬でした。
涼輔くんの鼓動が聞こえてくる……
わたしがドキドキしてるのも同じように聞こえてるのかな……
もう、どうすればいいか分からない……好きって言うのがこんなに難しいなんて、知らなかった。
喉元からその言葉が出てこない……。
わたしが何も言えずに戸惑っていると、涼輔くんは優しく頬に手を添えた。
そして、少しずつ近付いてくる涼輔くんの顔に、ようやくキスされそうになっていることに気付く。
「涼輔くん、待って……」
「ダメです。……俺のモンになって?」
――そっと、優しく……涼輔くんの唇はわたしの唇へと重なった。