飼い犬は猛犬でした。
少し歩くスピードが早い……もしかして怒ってる……?
誰もいない公園で涼輔くんは立ち止まる。
「ねぇ、涼輔く「先輩……」
わたしの呼び掛けは涼輔くんに遮られ……
「俺と付き合ったこと後悔してます……?」
……悲しげな表情で振り返った。
「そんなわけ……ない。どうしてそんな事言うの……?」
「俺と付き合ってるの、バレたくないんすよね……?」
「それは……涼輔くんのファンの人達に何か言われるのが怖いし……迷惑かけたくないの」
「そんなの、俺が守ります。絶対先輩には嫌な思いさせないから」
涼輔くんはわたしの手を取ってそう言った。
「お願い、自信が無いの……自信を持てるまでは……言わないで……」
「……分かったっス、先輩の嫌がることはしたくないんで……」
涼輔くんはため息をついて、わたしの頭を優しく撫でてくれた。
ごめんなさい、わたしが自信なくて臆病なせいで……