飼い犬は猛犬でした。


「そ、そうだ! 涼輔くんっていつもモテモテだけど……高校に入学する前もそうだったの?」
「俺、モテモテとかそういうのあんま分かんないんすよね……囲われても邪魔っつーか、迷惑っつーか……」
「そうなんだ……1日でいいからそういうの経験してみたいや……」
「絶対ダメっす。……今でも大変なのに」



 涼輔くんは即座にそう言い切ると、最後になにか呟いた。

 そんなキッパリ言わなくても……


 涼輔くんの顔をちらりと見る。
 もう、いつ見てもカッコよすぎだよ……

 伏し目がちな表情も、ニカッと笑う時も……隣に並んでるだけでドキドキする。


 涼輔くんはどう思ってるんだろう……わたしと一緒に居て、ドキドキしてくれてるのかな……?

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