勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

しょんぼり。

「最近、九条くんと会ってるのか?」




朝ごはんを食べていたら



突然、九条さんの名前が飛び出してきて、



目を丸くする。




なんだかお父さんの機嫌が、ものすごく悪い。




「会ってないよ。でも、急にどうして?」




「ぶらぶらしないで、



遅くならないうちに帰ってくるんだぞ」




そう言ってバタンとドアを乱暴に閉めると、



お父さんは眉間にしわを寄せたまま



会社に行ってしまった。




いきなり、どうしたんだろう?




「お父さん、なにかあったの?」




「好きにさせておけばいいのよ」




お母さんは呆れているけれど、なんだか朝から気が重い。



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