勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「あの、友達を待ってて」




「オープンキャンパス?」




「……はい」




「そんなこと、言ってなかったよな? 



オープンキャンパスに来るなら、



俺に連絡くれればよかったのに。



それにこんなところ、制服で来ちゃだめだろ。



悪目立ちするに決まってんだから」




そして、怒涛のお説教。




こんなはずじゃなかったんだけどな。




「予定していた友達が来れなくなって、



それで急に誘われて」




九条さんは、まだ



眉間にしわを寄せて険しい顔をしている。




でも、本当の理由は、私が九条さんに会いたかったから。




だから……




「ごめんなさい」




乾いたコンクリートに視線を落とすと、くしゃりと頭をなでられた。



「怒ってるんじゃない。



けど、あんまり心配させんなよ。



目立つんだよ、そのセーラ服」







< 115 / 250 >

この作品をシェア

pagetop