勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「でも、そうかもな。
経営には興味あるよ、純粋に面白いと思う」
「それなら、九条さんは幸せ者ですね。
九条家に生まれて、
その力を思う存分ためすことができるんだから」
すると、
ふわりと九条さんの柔らかな眼差しに包まれて、
笑顔を返す。
「そうだな、彩梅に言われるとそう思えてくる。
かっこつけたり、ぐちゃぐちゃ悩んでる自分が
馬鹿らしくなってくるよ」
「やっぱりカッコつけてたんですね!」
「そうだよ? 悪いか?」
「悪くはないけど、……ちょっと、近いです」
すぐ目の前に立つ九条さんの両手が私の腰を抱えていて、
芝生に落ちるふたりの影はひとつになっている。
心臓が、ものすごく、痛い。
経営には興味あるよ、純粋に面白いと思う」
「それなら、九条さんは幸せ者ですね。
九条家に生まれて、
その力を思う存分ためすことができるんだから」
すると、
ふわりと九条さんの柔らかな眼差しに包まれて、
笑顔を返す。
「そうだな、彩梅に言われるとそう思えてくる。
かっこつけたり、ぐちゃぐちゃ悩んでる自分が
馬鹿らしくなってくるよ」
「やっぱりカッコつけてたんですね!」
「そうだよ? 悪いか?」
「悪くはないけど、……ちょっと、近いです」
すぐ目の前に立つ九条さんの両手が私の腰を抱えていて、
芝生に落ちるふたりの影はひとつになっている。
心臓が、ものすごく、痛い。