勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「彩梅、本当に俺のところにくるか?」
その瞬間、コタロウに飛びつかれて、
コタロウを受け止めながら首をかしげる。
「どこに、ですか?」
「……なんでもないよ」
「ごめんなさいっ。
コタロウくんの勢いがすごくて、よく聞き取れなくて」
すると、九条さんが苦笑い。
「コタロウに、やきもち妬かれたな」
「コタロウがやきもち? そうなの?」
しゃがんでコタロウの頭をなでると、
甘えた様子でコタロウが湿った鼻をおしつける。
「コタロウも彩梅のことが大好きだってさ」
頭上では、九条さんが空を仰いで、
聞き取れないほどの小さな声で呟いている。
「バカだよな。
彩梅に広い世界を見せてやりたい、
いろんな経験をさせてやりたいって思ってたのに」
「九条さん?」
「矛盾のかたまり」
「どうしたんですか?」
コタロウと同じ目線から、九条さんを仰ぎ見る。
「なんでもないよ」
九条さんを見上げる視線と、
九条さんが私を見下ろす視線がからんで、
九条さんのおおきな手のひらがそっと私の頬をなでる。
「か、顔、また赤くなってますか?」
「そうじゃないよ」
甘く笑った九条さんの指先が、つつっと私の首筋をすべって。
ひゃっ!!
くすぐったくて、身を縮めると。
「彩梅、キスする?」
……え?
その瞬間、コタロウに飛びつかれて、
コタロウを受け止めながら首をかしげる。
「どこに、ですか?」
「……なんでもないよ」
「ごめんなさいっ。
コタロウくんの勢いがすごくて、よく聞き取れなくて」
すると、九条さんが苦笑い。
「コタロウに、やきもち妬かれたな」
「コタロウがやきもち? そうなの?」
しゃがんでコタロウの頭をなでると、
甘えた様子でコタロウが湿った鼻をおしつける。
「コタロウも彩梅のことが大好きだってさ」
頭上では、九条さんが空を仰いで、
聞き取れないほどの小さな声で呟いている。
「バカだよな。
彩梅に広い世界を見せてやりたい、
いろんな経験をさせてやりたいって思ってたのに」
「九条さん?」
「矛盾のかたまり」
「どうしたんですか?」
コタロウと同じ目線から、九条さんを仰ぎ見る。
「なんでもないよ」
九条さんを見上げる視線と、
九条さんが私を見下ろす視線がからんで、
九条さんのおおきな手のひらがそっと私の頬をなでる。
「か、顔、また赤くなってますか?」
「そうじゃないよ」
甘く笑った九条さんの指先が、つつっと私の首筋をすべって。
ひゃっ!!
くすぐったくて、身を縮めると。
「彩梅、キスする?」
……え?