勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「おいっ! あれ、西園寺さんじゃね?」




その声に視線を動かすと、



まっすぐな長い髪を風に揺らし、



大きな目を輝かせながら



友達と楽しそうに笑う彩梅がやってくる。




友達の話に夢中になっている彩梅は、



男子高校生3人にまじまじと見つめられていることに



全く気が付いていない。




そんな彩梅に呆れていると、



その高校生3人が彩梅に近づいていく。




少しは警戒しろっつうの。




そのうちの一人が、



彩梅に声をかけようとしたその瞬間。




「彩梅!」




壁に寄りかかったまま、



声を張って彩梅の名前を呼んだ。




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