勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
寝る前に電話を鳴らすと、



秒で彩梅の声が響いて苦笑する。




「あのさ、電話ずっと待ってるの? 



彩梅からかけてきてもいいのに」




「ま、待ってないですよ。たまたまです。



本当にたまたま! 



それに、九条さんのお勉強の邪魔しちゃうといけないので」




「彩梅はちゃんと勉強してる?」




「まあ、まあ?」




「危なっかしいな」




「でも、たぶん、大学には上がれると思うので」




「……たぶん?」




「……おそらく?」




「それ、意味、同じだけどな。ま、いいよ。



もし大学いけなかったら、俺がもらってやるから」




「はい!」




彩梅は笑って答えてるけど、



全くその意味をわかってないところが彩梅らしい。




つうか、少しは気づけ。





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