勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

赤いリボン。

次の日のお昼休み、



九条さんからメッセージが届いた。




「おおっ、もしや九条さんから?」




「どうして分かったの⁈」




「だって、彩梅、わかりやすいもん! 



嬉しいーって顔に書いてあるよ」




は、恥ずかしいっ。




花江ちゃんに笑われて、顔を伏せる。




それから先の授業は、すっかり上の空。




放課後、九条さんに会えると思うだけで、



授業なんて何も頭に入ってこなくなる。





調理実習で作ったマドレーヌを包んで



赤いリボンをかけると、



九条さんに渡すために大切に鞄にしまった。





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