勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
もう一度ふたりで。
すらりと背が高くて、
キラキラ輝く柔らかなその眼差し。
半年ぶりのその姿。
「彩梅! 今、行くから、そこにいろ!」
「私も、いま、行きます!」
歩道から青信号の点灯している横断歩道へ
全速力で走ると、横断歩道の真ん中で、
両手をひろげた九条さんの胸に飛び込んだ。
ぎゅっと強く抱きしめられて、
じわりと浮かんだ涙がポロポロと零れ落ちる。
もう涙、とまらない。
九条さんの懐かしい香りにホッとした瞬間、
クラクションの音が鳴り響く。
「赤! 九条さん、赤信号になっちゃう!」
青信号から赤信号へと変わった横断歩道を、
九条さんと手をつないで渡り切った。
「感動的な再会になるはずだったのにな……」
「……あ、あぶなかったですね」
「彩梅が転ばなくて、良かった」
「転んでたら、今頃……」
「……怖え」
九条さんと目を合わせて吹き出した。
キラキラ輝く柔らかなその眼差し。
半年ぶりのその姿。
「彩梅! 今、行くから、そこにいろ!」
「私も、いま、行きます!」
歩道から青信号の点灯している横断歩道へ
全速力で走ると、横断歩道の真ん中で、
両手をひろげた九条さんの胸に飛び込んだ。
ぎゅっと強く抱きしめられて、
じわりと浮かんだ涙がポロポロと零れ落ちる。
もう涙、とまらない。
九条さんの懐かしい香りにホッとした瞬間、
クラクションの音が鳴り響く。
「赤! 九条さん、赤信号になっちゃう!」
青信号から赤信号へと変わった横断歩道を、
九条さんと手をつないで渡り切った。
「感動的な再会になるはずだったのにな……」
「……あ、あぶなかったですね」
「彩梅が転ばなくて、良かった」
「転んでたら、今頃……」
「……怖え」
九条さんと目を合わせて吹き出した。