勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
肩を揺らして笑う九条さんをちらりと睨む。




む、むむむ。




「九条さん、笑いすぎです!」




「わ、笑ってないって。 機嫌なおして」




「ものすごく笑ってるように見えますが!」




「いや、これは彩梅さんが可愛いから」




これは、ずるい。




『可愛い』の大安売り。




可愛いって言えば、



なんでも許されると思っているような!




ぷくっと頬っぺたをふくらませると、



九条さんは余裕の笑顔で。




もうっ!




それもこれも、



九条さんがカッコ良すぎるのがいけないんだ!




さっきから、すれ違う女の人達が



ちらちらと九条さんのことを見ていて落ち着かないし



心臓はドキドキ忙しいし!



< 24 / 250 >

この作品をシェア

pagetop