勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「そんな顔しなくても、大丈夫だって。
そのうちじーさんたちも飽きてきて、なにも言わなくなるだろ」
こくんと頷いたころで、
どこからか強い視線を感じてキョロキョロと見回す。
すると、私たちを見下ろしながら、
日本酒片手にニヤニヤと笑っているおじいちゃん達を
ベランダに発見……!
もうっ!
私たちの人生を、老後の楽しみにしないでほしいっ!
「あいつら…!」
「九条さん、こっちです!」
その場から逃げだすように移動して、
おじいちゃん達から見えない場所まで九条さんを引っ張っていく。
なんだか先行きが不安でしかない。
「とりあえず今日は帰るな。
なにか困ったことがあったら、この連絡先にメッセージ入れて」
「は、はいっ。あの、おやすみなさい」
「おやすみ、彩梅」
夜の闇に消えていく九条さんの背中を、
見えなくなるまでぼんやりと見送った。
また九条さんに会いたいとは思っていたけど、
こんな形で再会するなんて思ってもみなかった。
それにしても、
婚約とか結婚とか、おじいちゃん達、暴走しすぎだよ……!
庭の梅の木を見上げると、暗い夜空に溜息がにじんだ。
そのうちじーさんたちも飽きてきて、なにも言わなくなるだろ」
こくんと頷いたころで、
どこからか強い視線を感じてキョロキョロと見回す。
すると、私たちを見下ろしながら、
日本酒片手にニヤニヤと笑っているおじいちゃん達を
ベランダに発見……!
もうっ!
私たちの人生を、老後の楽しみにしないでほしいっ!
「あいつら…!」
「九条さん、こっちです!」
その場から逃げだすように移動して、
おじいちゃん達から見えない場所まで九条さんを引っ張っていく。
なんだか先行きが不安でしかない。
「とりあえず今日は帰るな。
なにか困ったことがあったら、この連絡先にメッセージ入れて」
「は、はいっ。あの、おやすみなさい」
「おやすみ、彩梅」
夜の闇に消えていく九条さんの背中を、
見えなくなるまでぼんやりと見送った。
また九条さんに会いたいとは思っていたけど、
こんな形で再会するなんて思ってもみなかった。
それにしても、
婚約とか結婚とか、おじいちゃん達、暴走しすぎだよ……!
庭の梅の木を見上げると、暗い夜空に溜息がにじんだ。