勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「え? 婚約者、……なんですか?」
「そう、真面目で素直で可愛くて、俺の自慢の婚約者」
店員さんが顔を引きつらせてテーブルから去っていくと、
九条さんを上目遣いでじいっと見つめる。
「こ、こん、こ、こん……」
「キツネ?」
「ち、ちがいます! あ、あの、こ、婚約者……でしたっけ?」
「嘘ではないだろ?
婚約を前提につきあってる、ことになってるんだから」
「で、でも……!」
実際には婚約してないし、
『婚約破棄を前提に、形だけつきあってる』だけで、
婚約者っていうのは少し違うんじゃないのかな?
すると九条さんは、眉間にしわを寄せて、
なにやら険しい顔をしていて。
「つうかさ、たとえ形だけだとしても、
5つも年下の女子高生とつきあうとか完全にアウトだけど、
正式な婚約者なら、ギリ許される……んじゃないかと思ってる」
「それは誰に対して、ですか?」
「自分自身に対して」
真面目な顔で答えた九条さんに、吹き出した。
「九条さん、気にしすぎです!
私、制服着てないと高校生に見られないし、
あと半年で高校も卒業するし!
なにより、私たちの場合、おじいちゃん達の指令で
一緒にご飯食べてるだけなので!」
「まあ、そうなんだよな。つうか、彩梅、笑いすぎ!」
くすくす笑っていると、ペチンとおでこを叩かれた。
「そう、真面目で素直で可愛くて、俺の自慢の婚約者」
店員さんが顔を引きつらせてテーブルから去っていくと、
九条さんを上目遣いでじいっと見つめる。
「こ、こん、こ、こん……」
「キツネ?」
「ち、ちがいます! あ、あの、こ、婚約者……でしたっけ?」
「嘘ではないだろ?
婚約を前提につきあってる、ことになってるんだから」
「で、でも……!」
実際には婚約してないし、
『婚約破棄を前提に、形だけつきあってる』だけで、
婚約者っていうのは少し違うんじゃないのかな?
すると九条さんは、眉間にしわを寄せて、
なにやら険しい顔をしていて。
「つうかさ、たとえ形だけだとしても、
5つも年下の女子高生とつきあうとか完全にアウトだけど、
正式な婚約者なら、ギリ許される……んじゃないかと思ってる」
「それは誰に対して、ですか?」
「自分自身に対して」
真面目な顔で答えた九条さんに、吹き出した。
「九条さん、気にしすぎです!
私、制服着てないと高校生に見られないし、
あと半年で高校も卒業するし!
なにより、私たちの場合、おじいちゃん達の指令で
一緒にご飯食べてるだけなので!」
「まあ、そうなんだよな。つうか、彩梅、笑いすぎ!」
くすくす笑っていると、ペチンとおでこを叩かれた。