勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
広い芝生のお庭に出ると、
ラブラドールレトリバーのコタロウくんが
『待ってました!』と言わんばかりに、
九条さんに飛びついている。
「か、か、可愛い!」
大きな体に黒く潤んだまん丸の瞳、つやつやと湿った黒い鼻。
パタパタとちぎれんばかりに尻尾を振っている
コタロウくんの愛くるしい姿に、もう釘づけ!
こ、これは、たまらない可愛さっ!
芝生のうえで
コタロウくんとじゃれている九条さんをしばらく眺めて、
『お手』と『伏せ』、それから『待て』を教えてもらう。
「コタロウくん、賢いねえ」
「だろっ?」
なぜか九条さんが得意げに胸をはっている。
コタロウくんと一緒にいるときの九条さんは、
いつもよりずっとくつろいでいて、
その柔らかい空気に、なんだかほっこり。
「散歩、行く?」
「はい!」
すると、その会話で散歩に出かけることに気づいたのか、
コタロウくんがリードをくわえて戻ってきた。
賢いっ!
門を出ると、
リードを握って前を走るコタロウくんを必死に追いかける。
「あ、あの、コタロウさん、ちょっと、待って、ください……」
「コタロウ、彩梅のこと待ってやって」
ぜいぜいと息を切らす私を、九条さんが笑っている。
私の散歩なのか、コタロウくんのお散歩なのか。
なんとかコタロウくんに置いていかれずに、
コタロウくんのお散歩スポットだという河原に到着。
息を整えながら、コタロウくんに近寄りしゃがみこむ。
ラブラドールレトリバーのコタロウくんが
『待ってました!』と言わんばかりに、
九条さんに飛びついている。
「か、か、可愛い!」
大きな体に黒く潤んだまん丸の瞳、つやつやと湿った黒い鼻。
パタパタとちぎれんばかりに尻尾を振っている
コタロウくんの愛くるしい姿に、もう釘づけ!
こ、これは、たまらない可愛さっ!
芝生のうえで
コタロウくんとじゃれている九条さんをしばらく眺めて、
『お手』と『伏せ』、それから『待て』を教えてもらう。
「コタロウくん、賢いねえ」
「だろっ?」
なぜか九条さんが得意げに胸をはっている。
コタロウくんと一緒にいるときの九条さんは、
いつもよりずっとくつろいでいて、
その柔らかい空気に、なんだかほっこり。
「散歩、行く?」
「はい!」
すると、その会話で散歩に出かけることに気づいたのか、
コタロウくんがリードをくわえて戻ってきた。
賢いっ!
門を出ると、
リードを握って前を走るコタロウくんを必死に追いかける。
「あ、あの、コタロウさん、ちょっと、待って、ください……」
「コタロウ、彩梅のこと待ってやって」
ぜいぜいと息を切らす私を、九条さんが笑っている。
私の散歩なのか、コタロウくんのお散歩なのか。
なんとかコタロウくんに置いていかれずに、
コタロウくんのお散歩スポットだという河原に到着。
息を整えながら、コタロウくんに近寄りしゃがみこむ。