時には風になって、花になって。
村をぞろぞろと歩く法師。
その行列の真ん中には棺のようなものが抱えられていて、墓場として広がる耕地へと続いている。
たまたま通りかかった村で目にしたものだった。
「おっとう…っ!!行かないでぇぇ…っ」
「あなたーーっ!!死んじゃいや…!!」
この時代は人と人の抗争も続いていた。
戦の止む気配はない。
いつもは山の奥で生活している為、こうして戦を目の当たりにすることは少なかったが。
人は、いずれ死ぬ。
それは銃で撃たれたときか、それとも決して長くはない寿命を全うしたときか。
(どうして人は死ぬの…?)
命は平等ではないの…?
どうして戦で撃たれる人、撃たれない人が居るの…?
数日前だって、声の出せないサヤを悪く言ってくる者だっていた。
差別の減らない世の中。
「…海にでも行くか」
食事が喉を通らない少女に気付き、紅覇は提案するがサヤは断った。