拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)





「可能性のない恋なら早めに見切りつけた方がいいじゃないですか」



可能性のない恋、かぁ…



「…うん…まぁそうかもだけど…」



第三者からハッキリ言われると、やっぱりちょっと、くるなぁ…。





「ちなみに水萌先輩は朝比奈先輩のどこが好きだったんですか?」



「それ語り始めると2時間くらいかかりそうなんだけどいい!?」



「ちょっと困りますねそれは。一言で教えてください」



「一言、って」




難しすぎる!


朝比奈くんの魅力はとても一言で語れるものじゃないんだよ!




でも、そうなだなー、強いて一言で言えば




「…ほんとは優しいところ、かな?」



「…へー」




突然蓮くんが私の腕をつかんで、グイッと引き寄せた。


直後、私のすぐ後ろを車がビュンッと走り抜けていく。




…もしかして今、危ないから引き寄せてくれたの?




「あ、ありがと」



「いーえ」




蓮くんが品の良い笑顔を浮かべる。




「俺も優しいですけど。好きになりました?」




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