拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)








「………というわけで。完」


「まーまー、相手はあの朝比奈那月だよ?氷の王子だよ?

水萌の手に負える相手じゃなかったんだよ」





莉真ちゃんのバイトしているカフェで、私は涙の味がするカフェオレをすすっていた。



これが失恋の味、ってやつですか…





「…でも…朝比奈くんに言われて、その通りだって思ったの。私、自分の好き!付き合いたい!って気持ち100%で、朝比奈くんの気持ちなんて、全く考えてなかった」


「…おー。なんか水萌にしてはマトモなこと言ってる」




コト、と私の前に置かれたシフォンケーキ。





「私カフェオレしか頼んでないけど…」




万年金欠なもので…




カウンターの中でエプロンをつけた莉真ちゃんがニッコリ笑った。




「サービス。水萌の失恋と成長に乾杯」



店長には内緒ね、と人差し指をたてる莉真ちゃんに惚れました。





「莉真ちゃぁぁぁん…愛してる付き合ってー!」



「やだ」



「即答!?」





莉真ちゃんに抱き着こうとしたその瞬間、カランコロン、お店のドアのベルが鳴って。






「………げ」


「あれっ、水萌ちゃんじゃーんっ!」





あろうことか、朝比奈くんと柊平くんが入ってきた。





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