拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
理性と本能、だったら俺は
バタン、とドアの閉まる音がした。
続いてジャーッとシャワーを出す音。
……ほんとに風呂入ったのか、あいつ。
俺はハア…と深いため息をつくと、ボスッとソファに倒れこんだ。
――やってしまった。
右手に残るさっき宮原の手首を握った感触。
『興味あるどころか好きなんだけど』
俺は宮原と付き合ってんのに、どんな女子が好きかとか、女子に興味がないだとか、バカみたいなこと言ってくる宮原に
俺の気持ちちゃんと伝わってるよな?
少しの不満と苛つきで、思わず詰めた距離。
握った宮原の手首が思ったよりも全然細くて、華奢で
俺はこんな少しのことでも簡単に動揺してしまう。