拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
「え…」
急速に縮まる朝比奈くんとの距離。
ふわり、と顔の横をかすめた髪の毛の感触。
さっきよりも強く香るシャンプーの匂い。
あ、と思ったときにはもう、朝比奈くんはさっきまでの位置に戻っていて
その手にはテレビのリモコンが握られていた。
「チャンネル変えていい?」
「あ、え、う…うん!もちろん…」
…もしかして私の後ろにあったリモコン取っただけ?なーんだ…。
ホッとしたような。がっかりしたような。
…ん?がっかり…?
「やっぱり」
プツッと音がしてテレビが真っ暗になった。
「やめよっか。なんか、宮原もテレビって気分じゃないみたいだし」
朝比奈くんの口角がわずかに上がる。
「もっと楽しいことしよっか」
もっと楽しいこと…というのはつまり…つまり!?