拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)






――――…


「やっ…ちがう、そこじゃないっ…」


「んー?じゃあどこなの?言ってみて?」


「言えるわけないじゃんっ…も、早く…!」


「んー、じゃあこっち」




スッ…と朝比奈くんの細くて長い指が引き抜いたのは右のカード。



見事、ジョーカーではない方のカードだ。





「また俺の勝ち」




涼し気な笑みを浮かべた朝比奈くんがカードを捨てる。



これで朝比奈くんの持つカードはゼロ。私の手には、ジョーカーが一枚。




「くっ…つ、次こそは!!!!勝つ!!!!」



「と言いながらもう5連敗してんじゃん。いい加減諦めれば?ほんっと宮原ってわかりやすいよねー」



「そーゆう朝比奈くんは感情出なさすぎだよ…なんなの!?幼少期よりババ抜きの英才教育でも受けてきたの!?」



「どんな家だよ」





朝比奈くんの言う“もっと楽しいこと”というのはトランプのことだった。そして私がなぜか面白いように連敗している。



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