拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
…朝比奈くんの、さっきの熱っぽい瞳なんて、まるで幻だったのか?と思うほど
今私に背を向けて眠る朝比奈くんは遠く感じる。
そっか。もう寝るのか。そうだよね。もう夜だし。夕ご飯食べたしお風呂も入ったし、トランプだってしたし。
もうすること特にないもんね…。
ていうか…
ていうか…
何もなかったんですけど!?
私は無言のまま思わず頭を抱えた。
莉真ちゃんが“てかフツーにそーいう流れになるよね”とか言うからそうなのかと思っちゃったんですけど!?
莉真ちゃんに言われるがまま黒いアダルティー下着だってちゃんとつけてるんですけど!?
お披露目する機会なんて一ミリもなかったんですけどー!!
私が一人で張り切っていただけ、ということが明らかになり恥ずかしくて死にたくなる。
そういうえば…キス、すらも。今日は一回もしてない。
そっか…いつもは私が、して欲しいって、タイミング作るけど、今日はそれがなかったから。
朝比奈くんからは絶対キスしないもん。
私がしたそうだから、してくれるだけで。
朝比奈くんはキスのあと、いつも気まずそうな顔してたよね。