拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
俺がこの奇怪な文書を読んで(読み聞かされて)わかったのは一つだけ。
この送り主がとんでもなく救いようのないほどのバカだということ。
拝啓と敬具の使い方わからんくせに使うな!
メリットってなんだよ!?
見ず知らずの奴の手作り弁当食いたくねーしモーニングコールとか怖すぎだしメリットがデメリットすぎんだろ!
っていうか俺が朝弱いって何で知ってんの…!?
「で、返事してあげないのー?」
「するわけねーだろ!?」
「えー何で?水萌ちゃんって可愛いじゃん!隣のクラスだしお前も存在くらい知ってんだろー?」
柊平が奇怪な文書の一番下に書かれている、【2ーC 宮原水萌】という文字を指さしながら言った。
…そーいえば可愛いけど変人な女がいるって聞いたことあるような、ないような。
「どーでもいい」
俺は柊平の手から奪い取ったそれをゴミ箱に即刻、捨てた。
「これは見なかったことにする」
「うわっヒド!捨てることないじゃん!?」
柊平が背後で喚いてたけど知るか。
朝から下駄箱に突っ込まれてた白い紙。
いつもなら絶対読まずに捨てるのに開いた俺がバカだった。
とにかく忘れよう。うん、絶対それが一番いい。