拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
「あっちょっと待ってよ!まだ言い足りな…」
「まぁま、もういいでしょ~十分懲りたと思うし」
追いかけようとした私を柊平くんが止める。
「よくないよ!
朝比奈くんの良い所まだ全然言い足りてないし、
教室のゴミがたまったらこまめに捨てに行ってるところとか、その際ちゃんと分別してるとことか、几帳面に見せかけて実は机の中はそこまで綺麗ではない親しみやすい一面とか…!!」
「なんで人の机の中まで知ってんだよ」
はぁぁ、と朝比奈くんがため息をつく。
「おまえ、ストーカーだろ」
「ちっ違うよ!?
私はただ、人よりちょーっと多めに朝比奈くんの言動に着目してるだけで…!」
「うるさい」
椅子から立ち上がった朝比奈くんが私の前までやってくると
両手でほっぺをグニッと引っ張ってきた。
柊平くんが驚いたように目をみはる。
「なっ、那月が女子に触っ…」
「…変な顔」
ふっと朝比奈くんが笑う。
そっ…
「その微笑天使が如し…!!」
「ばか」
真顔に戻った朝比奈くんがクルリと私に背中を向けた。