拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
「あったまご焼き…最後に食べようと思ってとっておいたのにー!」
「うそっ、ごめーん、じゃぁ俺のコロッケあげるから許して」
「マジで?許す」
私と柊平くんが物々交換をしているのを、なぜか怪訝そうに見てくる朝比奈くん。
「…お前らそんな仲良かったっけ」
「お前らってもしかして私と柊平くんのこと?
ううん、ぜんぜん仲良くないよ~」
「ちょっ水萌ちゃん、ひどくない!?」
「だって事実じゃん」
最近まで全然喋ったことなかったし!
「じゃぁこれから仲良くなろ~よ」
柊平くんがそう言って、私の肩をグイッと抱き寄せる。
「………柊平、お前そんな変人女がいいの?変わってんな」
「えーだって、水萌ちゃんふつーにめっちゃ可愛いじゃん?」
「…やっぱ変わってるわ」
朝比奈くんがパンのゴミをビニール袋にまとめて立ち上がる。
「俺、先教室戻る」
「水萌、わたしも先生に呼ばれてるから先戻るね~」
そして朝比奈くんと莉真ちゃんは屋上を出ていった。