拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)



「あ、朝比奈くん!?何でここに」


「お前ちょっとは人の話聞けよ、マジバカすぎる」


「ば、ばかって…ていうか莉真ちゃんは!?」


「あの子も呆れてたぞ、うちのバカがすみませんって謝ってた。いい保護者を持って幸せだなお前」


「いやーほんと莉真ちゃんには常日頃お世話になりまくってて…じゃなくて!」



「これ」




私の目の前まで来た朝比奈くんが、ペシッと私の頭の上に手をおいた。




「返すわ」


「か、返すって」




頭に手をやると、私があげたはずのゴリッゴリの恋愛映画チケット、ペア無料券。





「これ…」



「残念ながら“莉真ちゃん”は恋愛映画は趣味じゃないそうだ」




莉真ちゃんが恋愛よりホラーとかアクションが好きなのは知ってる、でも…




「だからってすごすご引き下がってきたの!?それくらいで諦めるなんてもったいない!もっと恋愛はガツガツいかんとアカンですよ!!」



「その言葉そっくりそのままお前に返す」




「え?」



「お前こそ簡単に諦めてんじゃねーよ」




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