一日限定執事様！！

「ここって……」

リリアに連れてこられた場所を見て、リオンは懐かしくなる。リリアも「懐かしいでしょ？」と笑った。

そこは、二人が幼い頃によく遊んだ塔だった。掃除は定期的にされているものの、塔の中は薄暗く幼い頃は不気味に感じていた。塔の中には王宮で使われなくなった家具などがたくさん置かれている。

「ここに前に来たらね、面白そうなものを見つけたの！」

リリアはそう言い、塔の中へ入っていく。リオンも恐る恐る中に入った。ヒヤリと冷たい空気が肌に触れる。

螺旋階段を上り、リオンとリリアは塔の最上階にある部屋にやって来た。幼い頃はこの部屋に二人で箱にお気に入りの物を入れて宝箱を作って隠したりして遊んだ。

「懐かしいな……」

リオンがそう呟いていると、「リオン、これ着て！」とリリアに何か衣装を渡される。それは黒いネクタイに黒いジャケットの執事服だった。

「これって王宮の執事服じゃん」

「うん。リオンに今日一日あたしの執事になってもらおうと思って」