メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「店長?」
顔を強張らせて黙ったままの店長に声をかけると、彼はいつもの柔らかな表情に戻って心底残念そうに言った。
「あ、いや・・・杏花ちゃんの初イベント俺も行きたかったな・・・って前も言ったよね。」
「店長土曜日は元々シフト入ってたけど、日曜日は私がイベントに出るから変わってもらったんですよね。本当にありがとうございました。週末なのに2日ともお仕事になっちゃってごめんなさい。来月私が土曜日替わりますから。」
ペコリと頭を下げてから顔を上げると、店長はなぜか切なげな顔で私を見ていた。
「・・・その、シフトは変わってくれなくていいから、俺の週末潰した分ってことで、一緒に夕飯でも行かない?気になる店があるんだけど、一人じゃ行きづらくて。」
「いいですよ。私出しますね。」
「いや!そういうわけにはいかないよ!もちろん俺が出すから。」
「お礼なんだから、私が・・・。」
「店の外で杏花ちゃんと一緒にいられるなんて俺はそれだけで天にも昇る心地だから。」
「え?」
店長の声は囁くようなものでよく聞こえなかったので聞き返すと、彼は慌てた様子で顔の前で手を振った。
「い、いやなんでもない!その、いきなりだけどもし予約とれたら今日の閉店後はどうかな?俺車だから帰りは家まで送るし。」
「大丈夫ですよ。」
「よっしゃ!Yes!・・・あ。」
店長は顔を赤らめてこちらを見た。
「た、楽しみにしてるから。」
「私もです。」
そう言うと店長はなんだか泣きそうに顔を歪め『あ、そうだ。あれを持ってこようと思ってたんだ。』とバックヤードに入って行った。
なんだか様子がおかしいなとは思ったけれどすぐに忘れてしまった。だって朝から他のことで頭がいっぱいだったから。
顔を強張らせて黙ったままの店長に声をかけると、彼はいつもの柔らかな表情に戻って心底残念そうに言った。
「あ、いや・・・杏花ちゃんの初イベント俺も行きたかったな・・・って前も言ったよね。」
「店長土曜日は元々シフト入ってたけど、日曜日は私がイベントに出るから変わってもらったんですよね。本当にありがとうございました。週末なのに2日ともお仕事になっちゃってごめんなさい。来月私が土曜日替わりますから。」
ペコリと頭を下げてから顔を上げると、店長はなぜか切なげな顔で私を見ていた。
「・・・その、シフトは変わってくれなくていいから、俺の週末潰した分ってことで、一緒に夕飯でも行かない?気になる店があるんだけど、一人じゃ行きづらくて。」
「いいですよ。私出しますね。」
「いや!そういうわけにはいかないよ!もちろん俺が出すから。」
「お礼なんだから、私が・・・。」
「店の外で杏花ちゃんと一緒にいられるなんて俺はそれだけで天にも昇る心地だから。」
「え?」
店長の声は囁くようなものでよく聞こえなかったので聞き返すと、彼は慌てた様子で顔の前で手を振った。
「い、いやなんでもない!その、いきなりだけどもし予約とれたら今日の閉店後はどうかな?俺車だから帰りは家まで送るし。」
「大丈夫ですよ。」
「よっしゃ!Yes!・・・あ。」
店長は顔を赤らめてこちらを見た。
「た、楽しみにしてるから。」
「私もです。」
そう言うと店長はなんだか泣きそうに顔を歪め『あ、そうだ。あれを持ってこようと思ってたんだ。』とバックヤードに入って行った。
なんだか様子がおかしいなとは思ったけれどすぐに忘れてしまった。だって朝から他のことで頭がいっぱいだったから。