メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「高園さん?」
「・・・店がどうとかじゃない・・・好きなんだ。杏花ちゃんのこと。」
「え・・・。」
晴天の霹靂という言葉はこういう時に使うのだろう。彼が私をそんな風に思っていたなんて全く気がつかなかった。何も返せず固まる私に店長は優しく笑いかけた。
「最初はこんなに可愛らしい見た目なのに、落ち着いているし超酒豪で変わった子だなって思ってただけだった。でもいつの間にか杏花ちゃんとシフトが一緒の日が楽しみになってたんだ。」
「・・・。」
「わかってる。杏花ちゃんが俺のこと、男として見てないって。ただの上司で、よくても兄くらいのもんだろうって。だから、今日だって何の意識もなくここに来たでしょ。」
図星だった。まさかこんなことになるなんて・・・。
「いいんだ。今すぐ付き合ってほしいなんて言わない。ただ、気持ちを伝えたかったんだ。この間聞いちゃったから・・・。」
「え?何を?」
「あの女性・・・Remiさんが店に来た時、カフェスペースにいる時にしてた話も聞いたけど、その前、外で話してるのも聞いちゃってたんだ。ハルさんていう人のこと。」
その名前を聞いてドキリとする。
「今、ドキッとしたでしょ。」
「え、えーと・・・。」
「その人と付き合ってるの?」
「そういうわけじゃ・・・。」
「でも、その人のこと好きなんでしょ?」
「はい。でも、片想いです。彼は私のこと子供としか思ってないから。」
素直に頷く。キスマークだって経験のなさそうな私に教えてくれる為につけてくれただけだろう。時計作りを教えてくれるのと同じだ。
「俺は、杏花ちゃんのことずっと、大人の女性として見てるよ。」
イルミネーションの光が照らす店長の表情は恋する人のそれだ。その表情をさせているのが自分だと思うとなんだかくすぐったくなってくる。
「杏花ちゃんは好きな彼に子供としか思われてなくて、俺は好きな杏花ちゃんに店長としか思われてない。俺達同じ立場だね。」
「・・・。」
「でも俺は諦めないよ。俺の方が杏花ちゃんのこと彼よりもっとドキドキさせられる存在になるから。」
いつも穏やかでふんわりとした店長のまるで宣戦布告のような言葉と挑戦的な眼差しに私は戸惑いを隠せなかった。
「・・・店がどうとかじゃない・・・好きなんだ。杏花ちゃんのこと。」
「え・・・。」
晴天の霹靂という言葉はこういう時に使うのだろう。彼が私をそんな風に思っていたなんて全く気がつかなかった。何も返せず固まる私に店長は優しく笑いかけた。
「最初はこんなに可愛らしい見た目なのに、落ち着いているし超酒豪で変わった子だなって思ってただけだった。でもいつの間にか杏花ちゃんとシフトが一緒の日が楽しみになってたんだ。」
「・・・。」
「わかってる。杏花ちゃんが俺のこと、男として見てないって。ただの上司で、よくても兄くらいのもんだろうって。だから、今日だって何の意識もなくここに来たでしょ。」
図星だった。まさかこんなことになるなんて・・・。
「いいんだ。今すぐ付き合ってほしいなんて言わない。ただ、気持ちを伝えたかったんだ。この間聞いちゃったから・・・。」
「え?何を?」
「あの女性・・・Remiさんが店に来た時、カフェスペースにいる時にしてた話も聞いたけど、その前、外で話してるのも聞いちゃってたんだ。ハルさんていう人のこと。」
その名前を聞いてドキリとする。
「今、ドキッとしたでしょ。」
「え、えーと・・・。」
「その人と付き合ってるの?」
「そういうわけじゃ・・・。」
「でも、その人のこと好きなんでしょ?」
「はい。でも、片想いです。彼は私のこと子供としか思ってないから。」
素直に頷く。キスマークだって経験のなさそうな私に教えてくれる為につけてくれただけだろう。時計作りを教えてくれるのと同じだ。
「俺は、杏花ちゃんのことずっと、大人の女性として見てるよ。」
イルミネーションの光が照らす店長の表情は恋する人のそれだ。その表情をさせているのが自分だと思うとなんだかくすぐったくなってくる。
「杏花ちゃんは好きな彼に子供としか思われてなくて、俺は好きな杏花ちゃんに店長としか思われてない。俺達同じ立場だね。」
「・・・。」
「でも俺は諦めないよ。俺の方が杏花ちゃんのこと彼よりもっとドキドキさせられる存在になるから。」
いつも穏やかでふんわりとした店長のまるで宣戦布告のような言葉と挑戦的な眼差しに私は戸惑いを隠せなかった。