メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
*****
「じゃ、新年に乾杯、そして爽ちゃん海外研修お疲れ様でした。」
「ありがとう。」
向かいに座る2つ年上の幼馴染みの爽ちゃん───菜野爽乃ちゃん・・・じゃない茅爽乃ちゃんになった───が柔らかく微笑んだ。
暖人と別れ、爽ちゃんと合流して初詣をした後、電車で移動してここまでやって来た。フラワーデザイナーと花屋さんがコラボしたというそのカフェの外観は緑で覆われていた。映画に出てきそうな、不思議な出来事が起こりそうなお店だ。
ここはお父さんとお母さんの思い出のお店で、私もお気に入りで何度も来ていた。店内に入るとより別世界だ。
たくさんの植物に囲まれた店内。席は開放的な座敷になっている。天井や床、壁には3Dマッピングも用いられ、まるで本当に森の中にいるかのように演出されている。
テーブルは木の切り株で出来ていて、2人がけの小さなものから10人くらいが座れそうな大きなものまであり、それぞれの卓上にはナチュラルなフラワーアレンジメントが飾られている。
広い店内には私達の他には2組しかいなかった。私達も三が日に営業しているなんて思わなかったから、他の人達も同じなのだろう。
暖人と一緒に作った時計を爽ちゃんに渡したら涙を流して喜んでくれた。南米ボリビアのウユニ塩湖をモチーフにした掛け時計だ。
ウユニ塩湖は海底が隆起した場所だ。地面の高低差が少なく平らな為、雨季に雨水が溜まると湖面に空が映り『天空の鏡』と呼ばれる絶景を見ることができる。夜になり星空が広がるとまるで宇宙にいるかのように感じることができるそうで、星空観賞が趣味の二人が来月の新婚旅行で行くと言っていた場所だ。
円形の文字盤の上半分が空、下半分が湖に見えるように上下で素材を変えた。部屋を暗くすると文字盤に描かれたたくさんの星、3本の針、1~12の数字がキラキラと光る。そして1時、2時などぴったりの時間になると、爽ちゃんが好きなペンギンが鳩時計の鳩のように円の中心から現れる仕組みだ。ウユニ塩湖にペンギンはいないけれど。
「じゃ、新年に乾杯、そして爽ちゃん海外研修お疲れ様でした。」
「ありがとう。」
向かいに座る2つ年上の幼馴染みの爽ちゃん───菜野爽乃ちゃん・・・じゃない茅爽乃ちゃんになった───が柔らかく微笑んだ。
暖人と別れ、爽ちゃんと合流して初詣をした後、電車で移動してここまでやって来た。フラワーデザイナーと花屋さんがコラボしたというそのカフェの外観は緑で覆われていた。映画に出てきそうな、不思議な出来事が起こりそうなお店だ。
ここはお父さんとお母さんの思い出のお店で、私もお気に入りで何度も来ていた。店内に入るとより別世界だ。
たくさんの植物に囲まれた店内。席は開放的な座敷になっている。天井や床、壁には3Dマッピングも用いられ、まるで本当に森の中にいるかのように演出されている。
テーブルは木の切り株で出来ていて、2人がけの小さなものから10人くらいが座れそうな大きなものまであり、それぞれの卓上にはナチュラルなフラワーアレンジメントが飾られている。
広い店内には私達の他には2組しかいなかった。私達も三が日に営業しているなんて思わなかったから、他の人達も同じなのだろう。
暖人と一緒に作った時計を爽ちゃんに渡したら涙を流して喜んでくれた。南米ボリビアのウユニ塩湖をモチーフにした掛け時計だ。
ウユニ塩湖は海底が隆起した場所だ。地面の高低差が少なく平らな為、雨季に雨水が溜まると湖面に空が映り『天空の鏡』と呼ばれる絶景を見ることができる。夜になり星空が広がるとまるで宇宙にいるかのように感じることができるそうで、星空観賞が趣味の二人が来月の新婚旅行で行くと言っていた場所だ。
円形の文字盤の上半分が空、下半分が湖に見えるように上下で素材を変えた。部屋を暗くすると文字盤に描かれたたくさんの星、3本の針、1~12の数字がキラキラと光る。そして1時、2時などぴったりの時間になると、爽ちゃんが好きなペンギンが鳩時計の鳩のように円の中心から現れる仕組みだ。ウユニ塩湖にペンギンはいないけれど。