メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「爽ちゃん、そんなに泣かないで。水分と塩分が失われちゃう。ウユニ塩湖に行って塩補給しなくちゃいけなくなっちゃうよ。確か近くに塩で出来たホテルもあるんだよね?」

「ぐずっ・・・だ、だって、なんて言ったらいいのか・・・ぐずっ・・・杏ちゃん辛いのに、私結婚の話なんかしちゃって・・・。」

爽ちゃんはタオルハンカチで涙をぬぐいながらポケットティッシュを出して鼻をかんだ。『それは私が聞いたからだから、気にしないで。』そう言って爽ちゃんが落ち着くまで待った。


「爽ちゃんは恋している自分が怖かったりしなかった?」

「うーん、初めて感じる気持ちばかりだったから戸惑いはあったけど、怖いまではなかったかな。『どうして恋愛には教科書がないんだろう。』っていうのはいつも思ってた。」

「勉強熱心な爽ちゃんぽいね。」

「でもね、今はどうして教科書がないのかわかるの。私は蒼大としか付き合ったことがなくて、恋愛偏差値も経験値も低いから偉そうなこと言えないけど・・・。」

爽ちゃんはほうじ茶をひと口飲んでから再び口を開いた。
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