メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
『暖人も私に対して私が彼に対して持っているのと同じ気持ちを持ってくれている』───夢みたいなことだけれど1%も考えなかったと言ったら嘘になる。
けれど実際に暖人の気持ちが彼の口から言葉になって出てきて、私の鼓膜を震わせ脳がその言葉の意味を理解しても、未知のことに戸惑ってしまい、奇跡のようなその言葉をまだ心の内側に取り込むことができない。
けれど彼の熱い気持ちに触れた心の表面がとても熱くて、その熱が私を衝き動かした。あんなに頑固だった臆病な気持ちは妖精みたいにすっかり姿を消していた。
「・・・そんなの、駄目だよ。」
「・・・。」
「私、やりたいこと、自分が熱くなれること、見つけたんだ。」
「・・・そうか・・・。」
悲しそうな顔になった彼に一歩近づく。
「私は暖人の側にいて暖人の夢が叶うようにお手伝いしたい。たくさんの人に暖人の時計と暖人の想いを知ってもらいたい。その為に誰よりも暖人の近くにいたい。好きだから。だから夢が叶わなくてもいいなんて言わないで。」
「杏花・・・。」
「!!」
大好きな人に初めて呼んでもらった自分の名前は、聞き慣れてきたものではないみたいに耳の中に甘く響いた。まるでムースを口に入れた時みたいにふわっと。
「・・・名前、初めて呼んでくれたね。」
「え?あ、ああ。」
暖人は頬を赤くした。愛おしい気持ちが湧き上がってくる。
けれど実際に暖人の気持ちが彼の口から言葉になって出てきて、私の鼓膜を震わせ脳がその言葉の意味を理解しても、未知のことに戸惑ってしまい、奇跡のようなその言葉をまだ心の内側に取り込むことができない。
けれど彼の熱い気持ちに触れた心の表面がとても熱くて、その熱が私を衝き動かした。あんなに頑固だった臆病な気持ちは妖精みたいにすっかり姿を消していた。
「・・・そんなの、駄目だよ。」
「・・・。」
「私、やりたいこと、自分が熱くなれること、見つけたんだ。」
「・・・そうか・・・。」
悲しそうな顔になった彼に一歩近づく。
「私は暖人の側にいて暖人の夢が叶うようにお手伝いしたい。たくさんの人に暖人の時計と暖人の想いを知ってもらいたい。その為に誰よりも暖人の近くにいたい。好きだから。だから夢が叶わなくてもいいなんて言わないで。」
「杏花・・・。」
「!!」
大好きな人に初めて呼んでもらった自分の名前は、聞き慣れてきたものではないみたいに耳の中に甘く響いた。まるでムースを口に入れた時みたいにふわっと。
「・・・名前、初めて呼んでくれたね。」
「え?あ、ああ。」
暖人は頬を赤くした。愛おしい気持ちが湧き上がってくる。