メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
暖人は私の体を見下ろしたまま時が止まったかのように静止している。

「暖人・・・?」

「・・・。」

「・・・あ、ごめんね。私痩せちゃって胸も小さくなっちゃって・・・こんなんじゃ駄目だよね。」

「そうじゃねぇ・・・お前、いつもそういう下着つけてるのか?」

「?だいたいこういうのだよ。」

和装用ではなく普段つけている下着だった。桜のような淡いピンク色で上下とも全体がレース、隠すべきところは大きなレースのお花で覆われていた。下の下着のサイドは生地より少し濃い色のリボンで結ぶようになっていて、上の下着にも同じリボンが飾りとしてついている。

「マジか・・・よくお前のサイズでそんなのあったな・・・袴ともいつも着てる服ともギャップがすごいな。」

洋服は落ち着いた色でディティールにリボンやレースやフリルを使っていて、肌の露出が少ないものを好んで着ている。一方下着はパステルカラーのような可愛らしい色のものに惹かれ、肌に触れる布が少ないものの方が着心地良く感じた。

「お母さんがね、昔とあることがあったのがきっかけで下着に凝るようになったんだって。それでここのブランド若い時よく着てたって教えてもらって・・・。」

「いやお前、親のそういうこと暴露するなよ・・・次お前のお母さんに会った時ちょっと気まずいんだけど。」

そう言っている間も彼の熱い視線は私の下着に注がれている。

「あの、あんまり見ないで・・・なんだか急にこの下着つけてるのが恥ずかしくなってきちゃった。」

「・・・じゃあ脱げばいい。」
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