メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「え!?」

「布団敷くから待ってろ。」

なんて返事していいのかわからずとりあえず『う、うん・・・。』と返し、暖人が『ベッド買うか。ソファもほしい。急にほしい。』と言いながら私の体から目を離さずに雑に布団を敷くのを羞恥に耐えながら見ていた。

彼は布団を敷き終わるとこちらにやって来て私を抱き上げた。抱き上げられるのは3回目だけれど、今日はこんな姿だ。そもそも数mの移動だから歩くのにどうして・・・と思っていると暖人はしばらくその場で立ち止まって私を見下ろしていた。

「・・・どうしたの?」

「抱き上げてる時のお前のどうしたらいいのかわからないような顔、すごく好きだから。それに今日はそんな可愛い姿だからすぐ下ろしちゃうのもったいなくて。」

「お、下ろして、恥ずかしい。」

「下ろしたらどうなるかわかってんのか?これ早く脱がされたい?」

下着の胸元に口付けられる。吐息がくすぐったい。

「えっ、と・・・。」

布団に下ろされた途端素早く上下の下着をずらされてレースのお花に覆われていた部分が露出した。焦っている間にみるみるうちに私の体を隠すものが全て取り払われた。慌てて右腕で上を、左手で下を隠すも、その手を捕まれてオープンされてしまった。

「すごく綺麗だから、隠さないでほしい。」

真剣な眼差しでそんな風に言って優しくキスするなんてずるい。

唇と唇が接続された状態で暖人の指先が私の体を記憶するかのように触れていく。

キスも彼の手の動きもどんどん激しさを増して、なんだか涙が出てきた。これは何の涙なんだろう・・・と最初は考えていたがすぐに何も考えられなくなった。暖人から私に思考を停止させる特殊な信号が送られたに違いない。
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