メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「ごご、ごめんなさい。」
「謝っても遅い。」
突き刺さるような鋭い声にびくっとする。
「は、暖人・・・。」
「さて、どうしてやろうかな。」
彼は起き上がり私に覆い被さるようにして迫ってきた。
「まだまだ青いけどこれはこれでなかなか美味そうだ。どこから食べてほしい?」
獲物を狙うような目で舐めるように私を見る。さっきよりも顔が近くて今にも触れてしまいそうだ。反射的にブランケットから出した両手は顔の横で強く布団に押し付けられて動きそうにない。普段は意識していない心臓の鼓動というものをこんなに感じたのは初めてだ。
時計の針はずっと一定のスピードで動くけれど、人間の心臓は速く動いたりもする。そのことに気がついて面白いなと思った。
「・・・もう、煮るなり焼くなり揚げるなり蒸すなり好きにして。」
観念してそう言うと彼は驚いた顔になった。
「・・・お前さ、こういう状況でそういうこと言うなよ。冗談だよ。何もしないって言ったろ。」
彼はそう言うと私の手を離し体を起こして布団から降り、床に横になって向こう側を向いた。
「そうだよね。」
ホッと胸を撫で下ろすと、速まっていた鼓動も徐々にペースダウンしていく。それに伴いゆるりとした眠気がやって来た。
「・・・おい、会ったばかりのよく知らない俺の言うこと信じるのかよ。嘘だったらどうする?寝てるうちにあちこち触られたりするかもしれないけど。」
「信じるよ。」
「だからお前な・・・。」
彼がこちらに顔を向けた記憶はある。でも言葉を交わす前に私は深い眠りに落ちていた。
「謝っても遅い。」
突き刺さるような鋭い声にびくっとする。
「は、暖人・・・。」
「さて、どうしてやろうかな。」
彼は起き上がり私に覆い被さるようにして迫ってきた。
「まだまだ青いけどこれはこれでなかなか美味そうだ。どこから食べてほしい?」
獲物を狙うような目で舐めるように私を見る。さっきよりも顔が近くて今にも触れてしまいそうだ。反射的にブランケットから出した両手は顔の横で強く布団に押し付けられて動きそうにない。普段は意識していない心臓の鼓動というものをこんなに感じたのは初めてだ。
時計の針はずっと一定のスピードで動くけれど、人間の心臓は速く動いたりもする。そのことに気がついて面白いなと思った。
「・・・もう、煮るなり焼くなり揚げるなり蒸すなり好きにして。」
観念してそう言うと彼は驚いた顔になった。
「・・・お前さ、こういう状況でそういうこと言うなよ。冗談だよ。何もしないって言ったろ。」
彼はそう言うと私の手を離し体を起こして布団から降り、床に横になって向こう側を向いた。
「そうだよね。」
ホッと胸を撫で下ろすと、速まっていた鼓動も徐々にペースダウンしていく。それに伴いゆるりとした眠気がやって来た。
「・・・おい、会ったばかりのよく知らない俺の言うこと信じるのかよ。嘘だったらどうする?寝てるうちにあちこち触られたりするかもしれないけど。」
「信じるよ。」
「だからお前な・・・。」
彼がこちらに顔を向けた記憶はある。でも言葉を交わす前に私は深い眠りに落ちていた。