メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
───!?!?!?

俺の目は一点に釘付けになった。

杏花は俺の左側で眠っていたが、彼女の体にかかる布団の左側がめくれていて浴衣から太股がにゅっと露出している。ミルクプリンのように白く滑らかそうな太股。下着がギリギリ見えていないところが・・・そそる。

───おいおい、どうしてこうなった。いくらなんでもこれは触れるなっていう方が無理だ・・・。

反射的に手が伸びて指先が彼女の体温を感じる寸前でパッと手を引っ込める。

───いや、だから、昨日の夜、やってしまって後悔したばかりじゃないか。

そこで悪魔の(ささや)きが聞こえてきた。

─── 一度やってしまったのだからこれ以上触れたって変わらないだろ?ぐっすり寝てるし、ばれねーよ。昨日彼女の足がつった時に引っ張ったし、そのちょっと上を触るだけだ。

彼女が日頃からミニスカートでも履いていたならここまで惹き付けられないかもしれない。でも普段肌を露出しないやつの肌が(あらわ)になっているとこんなにも駆り立てられてしまうのだろうか。『あれ?触ってくれないの?せっかく出てるのに。滅多にないチャンスだよ?』と太股が(あお)ってくるようだ、などと思ってしまう。

悪魔と太股が結託して俺を追い詰めてくる。わかっている。両方とも彼女に触れたくてたまらない俺の心が生み出したものだ。

触れたい気持ちにすっかり支配されてしまった俺の手はゆっくりと太股に伸びた。
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