フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約

いつもより厳重な警備の中わざわざ訪れたのは、 レイとの結婚を宣言するためなの?

「ミレイ様、盗聴の心配はございません……が。手短にお願いいたします」
「わかっているわ、マリア。わたくしも時間配分くらいわかっていてよ」

見事なプラチナブロンドをかき上げる王女様は相変わらずドレス……ではなく。

上下がロイヤルブルーのスーツスタイルだった。ヒールも低くて、今までの派手さと比べると地味めな印象を受ける。

そう言えば、メイクもずいぶんと控えめだ。

「これから話す内容は他言無用。当事者であるあなただから伝えておくわ」
「はい」

私は無関係だから、と香澄は気を利かせてお茶を淹れに隣の部屋に入った。 たぶん、毒を警戒して王女様は飲んではくれないだろうけど。
話を聞かないよう遠慮したんだろう。

王女様の話は一体なんだろう? と緊張気味に待つ。
やっぱり、レイのことしか思いつかない……ミレイ王女も彼を好きだって言ってたし……。

どんどんと悪い方へ考えが落ちていく。
自分でも悪い癖だと思うけど、仕方ない。

だけど、ミレイ王女が発した言葉は予想以上のインパクトがあった。

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