あざといきみの誘惑は



「……ライ、きみはルクソンにおれらのことをどんな風に報告してる?」



すとん、とソファの肘掛けの部分に座った青羽は、ゆるりとにべない瞳を向ける。


そんな目を向けられると、なんでか毎度喉が一瞬つっかえるんだから、不思議な瞳だと思う。



「……え、と、その日あったこととか、会話したこととか。あとは、行った場所とか、です」



友利相手には、バレてからも簡単に敬語なんて抜けたのに、青羽相手だとなぜかそうもいかない。


人を寄せ付けないような瞳、というよりは、相手を見極めるような目をしているから、余計に緊張が走る。



そんな目に、一瞬おかしそうな、嘲笑するような光が宿ったのは、気のせい?



「……割とくだんないこと喋ってるんだね」

「………え?」



青羽の口から放たれたとは思えないような、すこし乱暴な言葉。


青羽から、相手を蔑むような言葉を聞いたのは、この時が初めてだった。


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