あざといきみの誘惑は



「こっちには、そーゆーこといちいち報告しなくていいから」




めんどくさいし、と吐き捨てるように呟いた青羽は、それよりも、とスッと目を細めた。




「ルクソンがこっちに喧嘩売ろうとした時の、相手の数の総数や陣営、日程を教えてくれる?」




族なんて到底呼べないような少人数なのに、それが成り立っているのは、彼らの実力の賜物。


噂によると、彼らタキオンは、以前は不良グループで今より2人多い、計6人で活動していたらしいんだけど、当時から族や不良グループ、それも悪名高いものを狙って喧嘩をしていたと言われている。

それにより、ここ裏街区付近に集まっている不良たちはカツアゲやレイプなどの悪行を働かなくなったみたい。


どうりで治安が悪いはずのこのあたり一帯がおとなしいワケだ、って聞いた時納得したっけ。



……それだけ、彼らには実績と、実力がある。


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