あざといきみの誘惑は
「……わかりました」
青羽の〝命令〟に素直に頷けば、よろしく、とまるで感情の乗ってない言葉を返された。
「友利ー、めちゃ暇なんだけどー」
「なら勉強でもするか?」
「それはヤダ」
「サクヤ、ちょっといい?」
「………、」
「ん、ありがと。ちょっと頼みたいことあって」
私との話は終わったと言わんばかりに、急速にいつも通りの光景が流れ始める。
……私が、その輪の中に入っていない以外は、いつも通りの。
「むう、じゃあちょっと散歩がてら喧嘩売られて来る」
「怪我して帰ってきても手当してやんないからな」
「友利、俺のことあんま舐めないでよね」
じゃあ行ってくるね〜、となんとも軽い調子で出て行った明間。
……あの、ところで私、いつまでここにいればいいんですか。