長い梅雨が明けた日
…。
微笑んでるけど…。
これはかなり怒っているようだ。
「何度聞いても河野くんは教えてくれなかったから理乃ちゃんに聞こうと思ってたの」
「あー…。それは…」
思わず答えに詰まる。
私を怒らせたと河野が言ったのなら、河野の好きな子の話は出来なさそうだし何て言えば…。
「昼休みにちゃんと教えてね」
「…分かった」
諦めのため息を洩らしながら琴美から離れて自分の席に座り込んだ。
まだ眠いと思わせながら、自分の席でうつ伏せて寝たフリしながら琴美に何て言おうか考える。
というか。
一昨日、優弥と河野に好きな子がいると知ってからは無駄に頭を悩ませてる気がする。
…今日は厄日なのかな…
考える事を放棄した私に睡魔が襲いかかってきた。